先日、医師の方々がGoogleMapクチコミによる被害をめぐって東京地裁に集団訴訟を起こされました。わたくしは残念ながら意気地なく、2年ほど前、まるで閉業しているかのように診療時間を改竄された時に一度だけ、GoogleMapに宛てて修正依頼しましたが、クチコミに関してはどうしようもないので沈黙を守っておりました。
今回は前述の医師の方々の意気に呼応して、当クリニックのGoogleMapクチコミのうち、「話を聞かない」との投稿についてだけ、少々反論させていただくことにしました。ちなみに、わたくしどもの診療はまず「話を聞かない」ことには始まりません。他の手段で得られる信頼できるデータはほとんどありませんから、クライアントからおうかがいしないことには何もわからない。クチコミ投稿者の意味するところはおおかた「言い分を聞き入れない」ということでしょうか。
確かに、わたくしは、来院した方の「言い分を聞き入れない」ことがございます。治療をお求めではなく、相手を糾弾するため、あるいは何らかの利益を得るため、「うつ」になったと証明してほしい、診断書を書いて欲しい、などのケースです。例えば、自分のハラスメント行為のせいでうつ病になったと被害者から訴えられた。裁判にされたショックで加害者である自分も「うつ」になったので、弁護士に提出するため診断書を書いて欲しい。と真顔で言われたこともありました。
こういう方は来院された時からすでにお怒りになっておられ、まず「うつ病」ではないと申しあげた時点で、いっそうお怒りになります。診断書を含めておっしゃる通りに対応できないと申しあげた時点でさらにお怒りになり、ヤブ医者、ひとの話も聞かないで、と怒鳴られたことは少なくありません。ご病状に悩み、疲れ果てて受診された方のお力になりたいとは常々考えておりますが、強引な要求に応じて、本来のご病状のかたと同じ対応、処遇をするのは、公正、正当なことではありません。
「言い分を聞き入れなかった」方からは診療代価は頂戴しておりませんが、医師として対面した限り、守秘義務は免れません。具体的に申しあげられることは何もなく、わたくしがここに書いていることも、もしかしたらわたくしの妄想かもしれません。書かれたことの真偽、正否の判断はとても難しい。ただ、ご病状の有無に関わらず、感情的になって誰かの悪口を言い立てている人に良い判断ができていることはほとんどありません。いろいろなクチコミや評価をご覧になるうえで、ぜひご参考になさってください。
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