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サプリメントについて

  • aoyama-mcl
  • 2024年7月4日
  • 読了時間: 3分

先日、紅麹サプリの薬害がありました。それで、うちに通院なさっているかたがたにも、なにかサプリメントを服用されてるかおうかがいしてみたわけです。そうしたら結構いらっしゃったんですよね。グルコサミン、黒酢、ノコギリヤシ、青汁等々。紅麹はさすがになかったけれど、なっとうキナーゼは3ヶ月ほど続けたというかたもいて、かなりご心配になっていました。逆にびっくりしたのは、5種類のサプリを服用されていて、薬害のことなんてまるで気になさっていないかたがいたことでしょうか。うちのクリニックは軽症の不安障害、言い換えると心配性がちょっと昂じただけみたいなかたが多いので、サプリメントはお好きなほうかもしれません。薬じゃないから、副作用もないってお考えになってる。漢方薬と同じ括りですね。漢方薬にも副作用はもちろんあり、西洋薬と同様、たくさん羅列されていますが、どういうわけかみなさん気になさらない。


サプリメント効能って本来は健康づくりの一環や予防効果だとおもうんですけど、TVCMとかみているとけっこう「治る」って言ってる。現世利益ないと、買ってもらえないから。もともとウォーキングもなさっててとても元気だった女性の膝が急に痛んで、歩けない。家事をするにも支障が出ていたけど、このサプリメント服用してから元通りになりました!っていうTVCM見たことがあります。でもこれ誇張が過ぎる。「※効果には個人差があります。」とか画面の端にちっちゃく弁解されているとおり、もともと活動的で筋力保持もできていた人だから外傷後すぐご回復されたわけで、サプリメント効果あまり関係でしょ、って突っ込みたくなる。


逆に、わたくしがなにかサプリメント服用しているのかと尋ねられることもあります。じつはわたくしだけでなく、うちの家族一同サプリメントは服用しません。なぜかというと、父がまぁサプリが大好きで、その当時は「健康食品」などと呼ばれていましたが、近所の薬店で毎月4、5万円ほど購入していました。でも60歳で亡くなったんですね。確かに40代からⅡ型糖尿病を患っていましたが、身体を動かすのは嫌い。食事療法もしているようなしていないような。朝食代わりに豆腐を食べていましたが、果物好きでイチゴは1パック食べちゃう。晩酌もする。自分でも良くないとわかっているから、代わりにサプリメントを貪るように服む。そして60歳で亡くなった。これでは残された家族はサプリ信仰できません。


医師の処方薬はもちろん、サプリメントや漢方薬だけでなく、加工食品も、身体に入った異物はすべて肝臓か腎臓で代謝(無害化)して、身体から排泄する。そう教わったものとしては、濃縮精製されたもの、人工的なものは代謝負担が大きくなるから、身体のためにはなるべく少ないほうが良いんだと考えるようになる。ただそのうえで使用するなら、効能、副作用が科学的に検証されたもの、加えて、わたくし自身が長年の臨床でその効能、副作用を理解できているものがいい。これが、わたくしがサプリメントや漢方薬をあまりお勧めしない理由です。


とくにこのクリニックで軽症のクライアントを診せていただくようになってからは、いっそうそのような考察を深めることになりました。軽症のかたには日常社会生活を楽にさせる、心身を消耗しないように助ける、そういう性質のものを「効果的に」「少量」「短期間」ご利用していただくだけでいい。そうしたらご自分の力で自然にご回復してくださると。

つまり、、、サプリ5種類は多すぎる!せめて2種類くらいになさってくださいね。

 
 

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